犬を飼っている飼い主さんは、愛犬と遠くに出掛けたいと考える人が多いでしょう。
移動手段には、さまざまなものがありますが、新幹線を利用する場合も考えられます。
新幹線を利用する場合には、他の人への配慮や犬のストレスをどうやって減らすか、などが重要です。
今回のコラムでは、「新幹線に犬を乗せる場合の注意点」や「犬のストレスを減らす方法」について解説します。
新幹線を利用する場合にはルールを守ることや周囲への配慮が必要
愛犬とさまざまな場所に出掛けて、たくさんの思い出を作りたいと考えている飼い主さんは多いでしょう。
愛犬と出掛ける際には、マイカーを利用する人もいますが、新幹線を利用するケースもあります。
新幹線を利用する際には、ルールを守ることや周囲への配慮が非常に重要となります。
INUNAVIを運営している株式会社PLAN-Bが犬の飼い主を対象に行った調査によると、次のような結果が出ているそうです。
愛犬と一緒にお出かけする際、公共交通機関を利用したことはある?
利用したことはない 61.5%(123人)
利用したことがある 38.5%(77人)
利用したことがある公共交通機関は?※複数回答
鉄道 41人
新幹線 23人
路線バス 15人
地下鉄 11人
フェリー 10人
飛行機 10人
モノレール 3人
旅客船 3人
路面電車(軌道) 1人
渡し舟 1人
愛犬と公共交通機関を利用して困ったこと、不便だと思ったことは?
周囲の視線が気になる
周囲に気を遣う
荷物扱いなのが腹立たしい
吠えてしまった
動物嫌いの人の視線、苦情
(出典:株式会社PLAN-B 「愛犬と一緒に乗れる飛行機や新幹線」に関するアンケート調査)
アンケート調査の結果を見てみると、愛犬との移動で公共交通機関を利用する人は約4割となっており、利用する交通機関では、鉄道・新幹線・路線バス・地下鉄・フェリーなどが多くなっていることがわかります。
また、実際に愛犬と公共交通機関を利用した人は、周囲の視線が気になるや周囲に気を遣うなどのコメントが多くなっているようです。
その他では、ケージやキャリーバッグから出せないルールであるため、愛犬に食事や水を与えることやトイレの世話などが不便というコメントもありました。
乗車券と特急券だけでは犬を新幹線に乗せられない
出張や旅行などで、新幹線を利用する場合には、「乗車券」「特急券」が必要となりますが、愛犬を乗せるためには、それだけでは乗せることができません。
犬を乗せるには、「普通手回り品きっぷ(1個につき290円)」が必要となります。
それから、以下のようなルールが決められているのです。
・タテ・ヨコ・高さの合計が120センチ以内の動物専用のケースにいれたもの
・ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内のもの
(出典:JR東日本 きっぷあれこれ 手回り品)
鉄道会社によって、ルールが異なる場合がありますので、必ず利用する鉄道会社のホームページ等でルールを確認しましょう。
決められているルールを見てみると、専用のケースに入れることや重さに制限があるため、小型犬を乗せることはできますが、中型犬や大型犬の場合には、残念ながら新幹線に乗せることができないということになります。
また、注意点としては、持ち込む場合には駅もしくは車内でケースから出さないようにしなければいけないということです。
さらに、管理・世話をしてくれる人はいませんので、自分で管理しなければなりません。
とくに、新幹線の場合には、通勤通学の時間帯や休日等、混雑する場合もあるので、他の乗客の迷惑にならないように十分注意しなければならないのです。
それから、次のような行為は禁止されていますので、こちらも事前に知っておきましょう。
ペットのために2席分購入する
愛犬と新幹線を利用する場合には、他の人に迷惑をかけないように、あるいはペットがくつろげるように、などの理由から2席分購入しようと考えている飼い主さんもいると思います。
しかし、結論から言えば、それは禁止されています。
JRの旅客営業規則(乗車券類の使用条件)第147条5には、次のように書かれています。
同一旅客は、同一区間に対して有効な2枚以上の同種の乗車券類を所持する場合は、当該乗車については、その1枚のみを使用することができる。同一旅客が、同一区間に対し有効な2枚以上の指定券を所持する場合についてまた同じ。
読んでみるとわかると思いますが、ペットのためや荷物を置くためなど理由にかかわらず、1人で2席分を購入したとしても使えるのは1人分となるということです。
愛犬を抱っこして乗せる・リードを付けただけで乗せる
ペットの分の座席を購入する以外で、注意しておきたいのがペットの乗せ方について。
愛犬を抱っこしたまま乗せる行為やリードを付けただけで乗せる行為などは禁止されています。
さらに、カートなどに乗せただけで顔が出ている状態で乗せることも禁止されているのです。
乗せる場合には、全身が入る専用のケース等に入れて乗せることがルールとなっています。
ルールを守らなかった場合には、他の乗客とトラブルになる可能性がありますので、事前にしっかりとルールを確認して、ルールを守って乗せることが大切です。
新幹線に乗せる前にトレーニングが必要
愛犬といきなり新幹線に乗って移動するというのは、さまざまな理由から非常に難しいと言えるでしょう。
犬にとって大きなストレスとなり、車内で吠えてしまうケースや他の乗客とトラブルになってしまう可能性があります。
このようなトラブルを少しでも減らすには、いきなり新幹線を利用するのではなく、トレーニングを行うのがよいでしょう。
具体的には、次のようなトレーニングです。
愛犬をキャリーバッグやケージに慣れさせておく
新幹線を利用して、愛犬と移動する場合には、キャリーバッグやケージ等に入れて移動させることになります。
そのため、愛犬がキャリーバッグやケージに慣れていないと、車内で吠えてしまうことが起こりやすくなるでしょう。
このような不安を和らげるためには、普段の生活の中で、キャリーバッグやケージを使い、愛犬にキャリーバッグやケージでの生活に慣れさせておくことが大切です。
動物病院で酔い止め薬を処方してもらう
それから、犬によっては乗り物酔いしてしまう場合もありますので、事前に動物病院で獣医師に相談して、酔い止め薬を処方してもらうことや、移動する際の注意点などを聞いておくとよいでしょう。
電車に慣れさせる
いきなり新幹線に乗せて長距離移動をさせるというのは、飼い主と愛犬の両方に大きな負担がかかってしまうでしょう。
そのため、電車に慣れさせるという意味で、新幹線ではなく、短距離での移動に電車を使い慣れさせるのもトレーニングの1つです。
通勤・通学時間帯など混雑している時間帯、曜日などを避けてトレーニングを行うとよいでしょう。
しつけを行う
車内で最もトラブルになりやすいのが、犬が吠えるというものです。
車内で犬がずっと吠えていると、他の乗客にとって大きな迷惑となるだけでなく、無用なトラブルに発展してしまう可能性があります。
ですから、無駄吠えをさせないようにしっかりとしつけを行っておくことも必要です。
排泄に関する準備を行っておく
新幹線で移動させる場合には、長時間の移動が伴いますので、心配になるのが愛犬の排泄について。
まずは、出掛ける前にトイレを済ませておくことが大切ですが、いつ排泄してしまうかはわかりません。
排泄に関する準備を行っておくことも大切です。
具体的には、ペットシーツを用意しておくことやペット用のおむつを履かせるなどになります。
排泄は、飼い主さんはもちろんですが、臭いなどがあるため他の乗客にとっても大きな迷惑となってしまう場合があるのです。
ペットシーツやおむつなどを活用しながら、ペットの排泄に備えておくことが重要となります。
おもちゃやおやつを準備しておく
その他では、少しでも犬のストレスを減らせるように、好きなおもちゃやおやつを準備しておくのがおすすめです。
新幹線の車内は、犬にとっては、通常と異なる環境となるため、大きなストレスを感じてしまう場合があります。
そのようなストレスをできるだけ減らすためには、犬が好きなおもちゃや大好きなおやつを準備して、ケージの中で遊ばせる、食べさせるようにするとよいでしょう。
犬のストレスを放置すると病気や問題行動につながるおそれがある
犬を新幹線に乗せるためには、ルールを守ることやさまざまなトレーニングを行うことが大切であると解説しました。
その他にも、注意しておきたいポイントがあります。
それは、犬のストレスを放置しないことです。
人間と同じように犬もストレスを抱えてしまう場合があり、ストレスを放置していると、病気や問題行動につながるおそれがあります。
ですから、犬のストレスを解消すること、ストレスをできるだけ少なくすることが重要です。
ストレスを放置していた場合の問題行動についてですが、具体的には次のような行動になります。
・攻撃的になる
・ずっと吠えている
・物を破壊する
・異物を食べる
人間もストレスがたまっていると、他人に攻撃的になってしまう場合や暴力をふるうなどがありますが、犬の場合も攻撃的になってしまう場合や吠えるなどの行動が見られる場合があるのです。
ストレスを抱えたまま、犬を新幹線で移動させようとすれば、トラブルになってしまう可能性が高まるでしょう。
そのため、犬の病気や問題行動を防ぐためにも、犬のストレスを解消することが大切です。
見逃してはいけないストレスサイン
愛犬がストレスを抱えているかどうかを見極めるには、ストレスサインを見逃さないこと。
動物は、人間のように会話ができるわけではありませんので、ストレスを抱えているかを正確に見極めるのは非常に困難です。
しかし、いくつかのサインによってストレスを抱えているかどうかが分かる場合もあります。
とくに見逃してはいけないのが、強度のストレスサインについてです。
一般的に強度のストレスサインと言われているものには、次のようなものがあります。
・逃げようとする
・低い姿勢をとる
・震えている
軽度~中度のストレスサイン
・体をずっと舐めている
・顔を背ける
・吠える
・噛み付く
このようなサインが見られた場合には、動物病院で獣医師の診察を受けるようにしましょう。
飼い主の約4人に1人はストレスによるペットの体調不良を経験している
株式会社ピクシーが行ったアンケート調査によると、次のような結果が出ているそうです。
犬や猫がストレスで体調不良になったことはある?
はい 26%
いいえ 40%
わからない33%
その他 1%
どんな様子からペットのストレスを判断する?
食欲不振 44%
元気がない 21%
鳴き声や無駄吠えが増える 10%
トイレの失敗が増える 9%
体が震えている 6%
息が荒い 3%
過度なグルーミング 3%
その他 3%
攻撃的になる 1%
犬や猫のストレスの原因は?
飼い主の長時間不在 30%
天候や気温などの変化 14%
運動不足 13%
原因はわからなかった 12%
引っ越しなど生活環境の変化 9%
新しい家族やペットが増えた 9%
その他 9%
トイレの環境が合わない 3%
掃除機や工事などの騒音 1%
(出典:株式会社ピクシー ペットのストレス事情)
このアンケート調査を見てみると、飼い主の約4人に1人がストレスによって、ペットの体調不良を経験していることがわかります。
また、主に食欲不振からストレスを判断していることもわかりました。
さらに、ストレスの原因については、「飼い主の長時間不在」「天候や気温などの変化」「運動不足」などが主な原因として挙げられています。
ペットのストレスを解消する、もしくは軽減するためには、長時間の留守番をさせないことやペットが快適に過ごせるような環境を整えることが大切です。
ストレスを解消するための効果的な方法
ペットのストレスをそのままにしておくと、体調不良や病気、問題行動につながるおそれがあります。
では、ペットのストレスを解消する、軽減するためには、どのようなことをすればよいのでしょうか?
ペットと一緒にいる時間を確保する
ストレスを解消するための方法として挙げられるのが、ペットと一緒にいる時間を確保することです。
ペットと一緒にいる時間というのは、もう少し具体的に解説すると、散歩に出かけることやペットと一緒に遊ぶこと。
それから、一緒にいる時間を確保するだけでなく、ペットとのスキンシップの時間を増やすことも重要です。
ペットとのスキンシップでは、ペット用のおもちゃが販売されていますし、ストレスの解消に役立つグッズも販売されています。
ですから、もしもペットがストレスを抱えているようだと感じたら、このようなペット用のおもちゃやストレス解消に役立つグッズを活用してみましょう。
環境を整える
ペットがストレスを抱える原因はさまざまです。
その原因の1つには、飼育環境があります。
ペットを飼育していると、ペットも成長してきますし、年齢を重ねるごとに、最初の環境ではあわないという場合もあるのです。
そのため、ずっと同じ環境で飼育をするということではなく、定期的にペットの飼育環境を見直すようにするとよいでしょう。
ベッドやトイレの位置が適切であるか、与える食事やおやつは適切か、などもチェックしておくのがおすすめです。
おすすめのアイテム
ペットとの移動やしつけなどに役立つおすすめのアイテムをご紹介します。
Pet Carrier muna BC
こちらは、愛犬との移動におすすめのアイテムです。
大き過ぎずペットがゆったりと過ごせるスペースになっているので、快適に過ごすことができます。
また、車で出かける際には、付属のベルトと車のシートベルトを活用することで、しっかりと固定することができるので、より安全にペットを移動させることが可能です。
さらに、大きな魅力として挙げられるのが、シーンにあわせた使い方ができること。
「背負う」「抱える」「手提げ」「ショルダー」として活用できるのはもちろん、車内や室内、キャリーカートにセットして使うことも可能です。
商品ページ:Pet Carrier muna BCミュナBC
quack
こちらのアイテムは、ペットの吠えないしつけのために役立つアイテムです。
気軽に使用することができる口輪となっています。
それから、ドッグラン等の場所で他の犬と一緒になるというシーンでも活躍してくれるアイテムです。
その他にも、ペットの拾い食いをやめさせたいという場合にもご活用いただけます。
しつけに役立つアイテムをお探しならこちらのアイテムがおすすめです。
商品ページ:quackクァック
まとめ
新幹線に犬を乗せるには、ルールを守ることや周囲への配慮が必要となります。
また、乗せられるのは小型犬だけで、中型犬や大型犬は乗せることができません。
新幹線に乗せる場合には、さまざまなトレーニングやしつけが必要となります。
その際には、しつけに役立つグッズやストレス解消に役立つグッズを活用するとよいでしょう。