犬が人を噛んだ場合の適切な対処法とは?法的責任は?

2024.11.07全て犬関連コラム

犬の飼い主にとって、最も注意しておきたいのが、飼い犬が人を噛んでしまうことです。
実際に、このような咬傷事故が全国で発生しています。
今回のコラムでは、「飼い犬が人を噛んだ場合の適切な対処法」や「飼い主の法的責任」について見ていきましょう。

犬による咬傷事故の状況

犬の飼い主が最も注意しなければならないのが、咬傷事故です。
この咬傷事故とは、簡単に言えば、犬が人間に噛みついて怪我をさせてしまう事故のこと。
皆さんは、全国でどのくらい咬傷事故が発生しているか知っていますか?

環境省の資料によると、次のようになっています。
(犬による咬傷事故件数 全国計)

・平成30年度 4,249件
・令和元年度 4,274件
・令和2年度 4,602件

(咬傷事故発生時における被害者の状況 令和2年度)
・通行中 2,319件
・配達・訪問等の際 749件
・犬に手を出した 633件
・けい留しようとした 234件
・遊戯中 190件
・その他 633件

(出典:環境省  犬による咬傷事故状況)

この資料を見てみると、全国で咬傷事故が毎年4,000件以上発生していることがわかります。
咬傷事故の件数については、野犬や飼い主不明の犬も含まれていますが、多くの場合飼い主が判明している飼い犬によるものです。

それから、どのような場合に事故が発生しているのか、についてですが、通行中や配達・訪問等の際・犬に手を出した場合などに事故が多く発生していることがわかります。
そのため、犬を飼っている人は、そのような状況に注意しておきましょう。

犬が人を噛んだ場合の適切な対処法や手続きについて

人間とは異なり、犬の行動は予測できない部分もあります。
注意していても、他の人を噛んで怪我をさせてしまうという可能性は否定できません。
そこで、重要となるのが「犬が人を噛んだ場合の適切な対処法」や「手続き」についてです。

① 被害者の救護を行う
飼い犬が人を噛んでしまったという場合には、まずは被害者の救護を行う必要があります。
救護をせずにその場から立ち去ってしまうなどは、絶対にやってはいけない行為です。
誠意を持って対応しなければなりません。

② 所管の保健所もしくは動物愛護管理センターに事故が発生したことを届け出る
被害者の救護や謝罪をすれば終わりというものではありません。
咬傷事故が発生した場合には、所管の保健所もしくは動物愛護管理センターに事故が起きたことを届け出なければなりません。
また、事故発生届を提出する必要があります。(一般的には24時間以内に提出が求められる)

③ 動物病院での検診
事故発生届の提出も重要ですが、もう1つ重要なのが人を噛んだ犬を動物病院に連れて行き、狂犬病の有無を見てもらうことです。
それから、獣医師による検診の結果を被害者にも知らせます。
さらに、保健所もしくは動物愛護管理センターにも診断者の写しを提出。

(参考:東京都保健医療局  動物による事故)

手続きについては、それぞれの条例などによって異なる場合があります。
そのため、インターネットなどでお住いの都道府県の条例や手続きについて確認しておくとよいでしょう。

飼い主の法的責任について

事故が起きた場合の適切な対処法や手続きについて解説しました。
もう1つ気になるのが、飼い主はどのような罪に問われるのか、ということです。
飼い主の法的責任について解説します。

民法第718条

(動物の占有者等の責任)
動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。

( 民法第718条より引用)

民法では、上記のように書かれています。
つまり、犬の飼い主は被害者に対して、損害を賠償しなければならないことになるのです。
具体的には、被害者の治療費や慰謝料などを支払わなければならない可能性が高いと言えます。

刑法第209条

(過失傷害)
過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。

( 刑法第209条より引用)

相手に怪我をさせてしまったということで、飼い主が過失傷害罪に問われる可能性もあります。

ここまで解説してきたように、犬が人を噛んだ場合には、民事責任と刑事責任を問われる可能性があるのです。
そのため、十分な注意が必要と言えるでしょう。

飼い犬が他の犬を噛んでしまった場合も注意が必要

今回のコラムでは、飼い犬が他の人を噛んでしまった場合の対応について解説してきました。
しかし、飼い主が噛んでしまうのは、人だけとは限りません。
例えば、ドッグランや公園等、他の犬と一緒になる場面では、飼い犬が他の犬を噛んでしまうという可能性があります。

ニュースなどでも耳にすることがありますが、大型犬が小型犬に噛みついてしまうなどです。
このような場合も、人を噛んでしまった場合と同じように誠意を持った対応が必要となります。
誠意を持った対応を行わなければ、さらに大きなトラブルへと発展してしまう可能性があるでしょう。

噛まれた犬の治療費や賠償金の支払いなどが被害者から求められる場合があるので、誠意を持って対応することが大切です。
犬を飼っている人であればよくわかると思いますが、犬は家族同然と考えている人が多く、愛犬が事故によって傷つけられてしまうのは、大きなショックとなります。
そのため、しっかりとした対応を行うことが重要です。

事故を防ぐためにできること

事故を防ぐためにできることは、以下のようなものになります。

・リードを上手に活用する
・愛犬から目を離さない
・多頭飼いをしている場合には自分で制御できる数にする

開放感などから犬を放し飼いにしてしまう場合もありますが、周囲に人がいる状況やルールでリードを使用することが決められている場合には、しっかりとリードを活用しましょう。
また、愛犬から目を離さないようにすることも大切です。
多頭飼いしている場合には、自分でコントロールできる数にすることも重要となります。
コントロールできないと、他の人や犬を襲っても止めることができなくなってしまうためです。

おすすめのアイテムについて

犬を飼っている人におすすめのアイテムをご紹介します。

quack®クァック®


こちらのアイテムは、アヒル口の可愛い口輪です。
愛犬の噛み付き・拾い食いの防止などに役立ちます。
また、他の犬と一緒になるドッグランなどでも使用が可能。
事故を防止するのに役立ちます。
見た目の可愛さだけでなく、装着したまま水が飲めるのも人気のポイントです。

商品ページ:quack®クァック®

quack®closedクァック®クローズド


こちらのアイテムは、クァックよりさらに噛みつき防止効果の高いタイプの口輪です。
マズル全体を覆う仕様なので、舌も出ず水も飲めませんが、
下部に穴が空いているため通気性は良くなっています。
また、穴から水が流れていくため、シャンプー時にもお使い頂けます。

商品ページ:quack®closedクァック®クローズド

quack®faceクァック®フェイス


こちらのアイテムは、鼻の短いタイプの犬や猫に使用することができます。
フレンチブルドッグやパグなどを飼っている人におすすめ。
頭のまわりをソフトに包むことができ、噛みつきや散歩中の拾い食いを防止することが可能です。
また、装着しているときも犬や猫の表情を確認することができるので、安心してご活用いただけます。
通院する際や外出する際に、他の人や犬に噛みつかないか心配という場合には、ここで紹介したアイテムを使用することで、より安心することができるでしょう。

商品ページ:quack®faceクァック®フェイス

まとめ

犬が人を噛んでしまった場合には、すぐに被害者の救護を行うとともに、保健所などに事故の報告を行う必要があります。
また、飼い主については、民事責任や刑事責任が問われる場合がありますので、注意が必要です。
リードを上手に活用することや愛犬から目を離さないこと、噛み付きを防止するためのアイテムを活用すると事故のリスクを小さくすることができるでしょう。