猫の長生きのために、飼い主ができること・知っておきたいこと

2024.03.13全て猫関連コラム

ペットとして、人と一緒に暮らしている動物のなかでも人気の高い猫さん。
家族のひとりのように、大事にたくさんの時間を過ごしている飼い主さんも多いはずです。
ここ十数年で、ペットの飼育環境への意識が高まったこと、医療技術や治療薬の発展、ペットフードの改良がすすみ、猫の寿命は大きく伸びています。
でも、ひとと同じように高齢になった猫には様々な病気のリスクが高まっていきます。

猫の平均寿命はどれくらい?

長生きになったと言われている猫ですが、平均的な寿命は約15歳と言われています。
もちろん、品種や飼育方法、性別、個体差によって変わっていきます。
猫の平均寿命は年々伸びている傾向にあり、この10年で1歳ほど長くなりました。
さらに、完全室内飼いをしている猫は、約16歳という調査結果も出ています。

猫の年齢

・0~6カ月程度まで……子猫期
人間でいうと、ちょうど10歳くらいまでの子どもの時代。
好奇心いっぱいで何にでも興味を持つことが多いです。
小さな頃に病院へ行くことを慣らしておき、予防接種や基礎疾患がないかを調べておきます。

・6カ月頃~2歳……青年期
人間でいうと、10代から20代前半にあたります。
6~7カ月頃になると体や骨格も成長して、始めての発情期を迎えます。
避妊・去勢手術を行う場合は6ケ月あたりに行うのが良いと言われています。

・2歳~6歳……成猫期
人間でいうと、20代後半から40歳くらいまでにあたります。
活動的で自己主張もしっかりするようになります。
膀胱炎や、目の炎症・結膜炎などに気を付けて、1年に1度の健康診断を行いましょう。
避妊・去勢手術を行った子は、肥満になりやすくなるので体重チェックも欠かさないようにしましょう。

・7歳~10歳……中年(壮年)期
人間でいうと、40代から50代にあたります。
そろそろ老化が始まり、病気のリスクが高くなってきます。
健康診断は1年に2回ほど受け、体重変化や食事・水分摂取量など日々のチェックをこまめに行いましょう。

・11歳~14歳……高齢期
人間でいうと、60代から70代にあたります。体力が落ち始めてしまい、寝ている時間が多くなることも。
また多くの猫がこの頃から関節炎を発症しやすくなります。
食事や睡眠、トイレの場所へ行きやすくできるよう、バリアフリーを意識した工夫を行いましょう。
ちょっとした〝いつもと違うこと〟が病気のサインの場合もあるので、日々の行動をしっかりチェックすることも重要です。

・15歳以上……老猫(後期高齢)期
人間でいうと70代半ば以降にあたります。
猫も人間と同じように、高齢になると視力や聴力が落ち、認知症になることがあります。
移動や排泄のお世話など、介護が必要になる場合も多くなってきます。
猫にとっての幸せを考えて、どのように接しながら高齢期を過ごすのが良いかを考えましょう。

猫にも訪れる『中年期』以降の病気リスク

人間も、中年期と呼ばれる40歳以降から、生活習慣病を始めとした病気のリスクが高くなります。
実は猫も同じように、中年期を迎えると様々な病気にかかりやすくなってきます。

7歳以降のシニア期の猫がかかりやすい病気と症状をチェックしておきましょう。

腎臓病

シニア期の猫に多く見られるのが、腎臓病です。
腎臓の機能が低下すると、老廃物や毒素をおしっこと一緒に体の外へ排出することが難しくなります。
たくさん水を飲む、尿が増える、尿の色が薄くなるといった症状は、腎臓機能低下のサインと言われています。
慢性腎不全を防ぐためにも、日々の飲水量・尿量の記録をとっておきましょう。

悪性腫瘍(ガン)

人と同じように、猫もシニア期になるとガンのリスクが高くなります。
とくにメスは年齢があがるにつれて「乳ガン」にかかりやすくなると言われています。
しこりが無いか全身を触ってチェックできるよう、日々のスキンシップが重要です。
疲れやすい・体重減少・下痢や便秘など些細な変化でも、早めに動物病院へ相談しましょう。

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうことで起きる病気です。
食欲はあるのに痩せる、飲水量が多くなる、攻撃的になる、呼吸がはやい等の症状がよく見られます。
腎臓・心臓にも悪影響が出るので、全身の検査と早めの治療が重要です。

関節炎

加齢とともに起こりやすくなるのが関節炎です。
歩くスピードが遅くなったり、段差につまずく、ジャンプ力が落ちる、毛づくろいがしにくい、といった症状が見られます。
関節炎の予防には、関節への負担を減らすため肥満にならないことが重要です。
また痛みを見せるような素振りを見せたら、動物病院と対処方法を相談しましょう。

歯肉炎

猫がかかりやすい病気のひとつが、歯肉炎です。
とくにシニア期では、ウェットフードへの切替などによって歯肉炎を発症しやすくなります。
よだれが多い、食事量が減る、口臭がする、ごはんを食べるときに痛がる様子を見せるなどの症状が見られたときは、早めに動物病院に相談して口腔ケアを行ってください。

シニア期からの猫の健康のためにできること

ごはんと環境の見直し

人と同じように、シニア期の猫にとっても、食事は病気予防の要になります。
運動量や新陳代謝が低下し始めるので、カロリーや塩分が控えめのシニア向けフードを選びましょう。
また歯や噛む力が弱った場合はウェットフードに切り替えていくことも。
猫の体力や行動範囲にあわせて、ごはん・水・トイレの場所や設置数も調整してあげましょう。

健康診断

シニア期に入ったころから、健康診断は1年に2回ほど行うと安心です。
また、日々の行動で気になったことがあればすぐに相談できるよう、かかりつけの動物病院を作っておくことをオススメします。

全身・日々の行動のチェック

だんだんと体力・免疫が低下していくことで、毎日の行動も少しずつ変化していきます。
ジャンプの高さや移動速度の変化は、関節炎になって手足が痛いのかもしれません。
歯の状態やお口・耳の匂い、皮膚の状態、しこりの有無なども確認しておきましょう。

ごはん・飲水量のチェック

病気のサインを見逃さないために欠かせないのが、食事量・飲水量のチェック。
食べ過ぎ・飲みすぎている、食べていない・飲んでいないは様々な病気の初期症状です。
〝普通〟の状態をきちんと把握するために、シニア期以前からの毎日の記録はとても重要です。

おしっこチェック

シニア期の猫の病気の原因に多く見られる腎臓機能の低下。
早期発見・治療のために是非やっておきたいのが、おしっこのチェックです。
尿の量がいつもよりも多い・少ない、尿の色が薄い・濃いは見逃せないサインのひとつ。
慢性腎不全、膀胱炎など泌尿器系疾患の予防のために、尿の状態を把握しておきましょう。

スマート家電を活用する

体重測定や排泄物のチェックは、病気予防のために欠かせません。
しかし、毎日記録をとるのはなかなか大変です。
昨今、ペットの見守りカメラや自動給餌・給水装置などが数多く開発されてきました。
なかでも、ここ数年で注目されているのが食事量・体重・排泄量のチェックができるスマート家電です。
トイレや食器等の下に設置し、重さを計測できるシステム。
排泄回数や量、体重などを自動で記録したり、AIシステムで体重減少や回数の異常を知らせてくれる機能が搭載されているものもあります。

元気で長生きしてもらうため、猫の健康のために飼い主としてできることを考えてみましょう。