犬、猫、小動物、小鳥……ほかにも多様なペットたちが増えてきています。
どんな種類の子たちも、飼い主にとっては大切な家族。
言葉は通じなくても、一緒に過ごす時間をとても大事にしているはず。
だからこそ、「もしも」の時のこともしっかり考えておかないといけません。
ここ最近、異常気象などを発端とした災害が多くなってきました。
さらに、水害や冠水が起きにくいとされていた市街地でも、避難が必要になる場合が増加傾向にあります。
避難することがどんどん身近になり始めた今――
そんな「今」だから、自分自身と大切なペットを守るために「非常時のこと」を考えてみませんか。
ペットの「同行避難」は、飼い主と地域の安全を守るために必要なもの
2011年の東日本大震災では、多くの被災者が避難生活を強いられました。
一度避難したものの、ペットを取り戻すために自宅に戻って被害にあってしまった方もおられます。
また、やむを得ず残された犬や猫たちが繁殖してしまったり、野犬化してしまうこともありました。
こうしたことから、飼い主と地域の安全を守るために、ペットとの同行避難は環境省からも推奨されています。
あなたの住んでいる場所は、どれくらいの災害リスクがある?
私たちが住む日本で“避難”が必要となることが多いのが、「風水害」です。
台風やゲリラ豪雨、線状降水帯といった雨による浸水被害、暴風による建物や道路の損壊、停電、交通障害など、避難はどんどん身近なものになっています。
とくに浸水に関しては、過去のデータから、自分が住んでいる地域がどれくらい被災しやすいかを予測する「ハザードマップ」がwebなどで公開されています。
各地域のハザードマップには、災害リスクだけでなく、避難所の場所も地図上にまとめてあります。
何もない平時にぜひチェックしましょう。
✓自分の住んでいる場所の災害リスクはどれくらいか知っておく。
✓避難所の場所を知っておく(ペット同行可能かどうかもチェック)
✓避難するとき、どのルートで避難所に向かうべきかを考える(複数ルートをピックアップする)
✓実際に避難ルートを歩いてみて、どれくらい時間がかかるかを予測する。
✓ハザードマップは、印刷されたものを避難袋、すぐ目に入る・手にとれる場所に置いておく。
✓在宅避難(マンションの上層階、災害リスクの低い場所の親戚や知人の家など)ができるかどうかをチェックする。
家のなかの安全対策は、人にもペットにも一番重要!
災害への備えは、誰にとってもとても重要なことです。
自分自身や家族、ペットを守るためにまずは「家のなか」の安全対策です。
災害時に家のなかがめちゃくちゃになってしまっては、その後の避難もスムーズに行えません。
家具の安全対策やレイアウトを“災害時にどうなる?”の視点から見直してみましょう。
✓家具の転倒対策を行う(突っ張り棒、L型金具、耐震シートなど)
✓ペットのケージが置いてある場所の近くに、落下物や家具の転倒などのリスクがないかチェックする。
✓小動物や小鳥などケージ・カゴの中で暮らすペットの場合は、フタ・出入口の開閉部分・ケージ自体の転倒防止対策を行う。
✓犬や猫の場合は、普段からケージを隠れ場所のように慣らしておく。
✓屋内飼育の場合は、窓ガラスの近くは避け、ガラス飛散防止用シートやカーテンなどの対策をする。
✓屋外飼育の場合は、壁や塀など崩れそうな物の近くは避ける。災害時に屋内飼育に切り替えられるよう場所を確保する。
いざという時のために、飼い主がやっておくべきこと
ペットとの同行避難をスムーズに行うためには、健康管理としつけが重要です。
とくに飼育数の多い犬・猫の場合と、他の動物の場合にわけてピックアップしてみました。
【犬・猫の場合】
✓ケージの中に入ることを嫌がらないよう、普段から慣らしておく。
✓各種ワクチンの摂取、ノミやダニ・寄生虫の駆除を行っておく。
✓決められた場所で排泄できるようしつけておく。
✓犬の場合、「待て」「おいで」「伏せ」「お座り」や、攻撃的に吠えないなど基本のしつけを行う。
✓家族以外の人、他の動物を怖がらないよう慣らしておく。
✓トリミング・シャンプーなどを適切に行い、清潔な状態を保っておく。
✓不妊・去勢措置を行っておく。
✓ペットの名前や年齢、病歴やかかりつけ獣医、ワクチン接種歴、写真などをまとめた手帳を用意しておく。
✓首輪や迷子札・マイクロチップなど、万が一迷子になってしまった場合の対策を行う。
【小動物・小鳥などの場合】
✓カゴやケージの出入口を、ナスカンなどを使いしっかり止めておける準備をする。
✓カゴやケージをしっかりと収納でき、持ち運べるバッグなどを用意しておく。
✓避難時はプラケースのフタ部分やカゴの下部など、外れるパーツは布テープを貼って脱落を防止する。
✓落ち着かせるために、ケージにかける布などを用意しておく。
✓ペットの名前や年齢、病歴やかかりつけ獣医、ワクチン接種歴、写真などをまとめた手帳を用意しておく。
人と同じように、ペットのための「防災バッグ」を準備しよう
災害時の避難にそなえて、数日分の食料・飲料水・生活必需品・常備薬をバッグにまとめること。
避難を意識することが多くなったここ数年で広まってきました。
もちろん飼い主の防災バッグも重要ですが、ペットのぶんも用意しておくことも考えましょう。
避難所へ届く救援物資はやはり人に対するものが中心です。
ペットによっては決まった食事しかとらない子もいるので、5日分ほど用意しておきましょう。
またペットの情報などは、カードや小さな手帳にまとめ、防災バッグのわかりやすい部分に付けておくと便利です。
まず優先して入れるのは「ペットの命・健康に関わるもの」です。
✓水、食料(ペットフードは普段食べているもの、療法食など)
✓薬
✓ペットシーツ、排泄処理に必要なもの(猫の場合は使い慣れた砂など)
✓予備の首輪やリード
✓食器
次に入れるものは「情報、お気に入りのものなど」です。
✓ペットの名前、飼い主の連絡先、飼い主以外の緊急連絡先、預け先、かかりつけの獣医などの情報
✓ペットの特長がわかる写真
✓ワクチン接種歴、病歴、飲んでいる薬、健康状態などをまとめたもの
✓お気に入りのおもちゃ
✓ブラシやタオルなど普段使っているもの、猫の場合は逃走防止用の洗濯ネットなど
✓ガムテープやマジック、ウェットティッシュなどケージの補修・汚れをすぐに掃除できるもの
避難時にも使えるペットキャリーバッグ
いざ同行避難をするときに必要となってくるのが、キャリーバッグです。
そこで、リュックやショルダーとしても使える犬猫兼用のペットキャリーバッグをご紹介します。
Pet Carrier muna(ペットキャリアミュナ)
こちらの商品は「リュックサック」「ショルダー」「手提げ」「キャスターにセットできる」4つの方法で使用できる犬猫兼用のペットキャリーです。
※製品ページ:Pet Carrier munaペットキャリアミュナ
Pet Carrier muna CS(ペットキャリアミュナCS)
こちらは先ほどのキャリーケースのキャスターモデルとなっています。キャスターから室内用キャップへ交換できるため、室内でもお使いいただけます。
※製品ページ:Pet Carrier muna CSペットキャリアミュナCS
もしも避難すべき状況がやってきたら? ペットとの同行避難は「早め」をこころがけて
地震など予測できない災害の場合は、まず家のなかで安全確保をしてから、避難所に行くべきかどうか情報を速やかに集めましょう。
津波警報が出ている場合は、すぐに同行避難が必要となるため、普段からの意識が重要です。
台風や豪雨による水害は、事前に避難警報が出る場合が多いです。
高齢者の場合は、とくにひと足早い避難の呼びかけがすすめられています。
ペットがいる時も、慌てず早めに行動することが必要です。
web上で公開される雨雲レーダーや予報、テレビ・ラジオの避難の呼びかけは「早めに・こまめに」にキャッチして行動してください。
【参考】環境省:災害時におけるペットの救護対策ガイドライン